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築古の木造住宅を、住み手が自ら暮らし方をつくっていく賃貸住宅へと再生した。既存の柱や梁、屋根架構をできる限り残し、そこに新しい床や壁、階段を重ねることで、建物が積み重ねてきた時間と、これから始まる生活とを共存させている。1階には庭から連続する大きな土間を設け、食事や仕事、趣味、来客など、用途を限定しすぎない余白のある場所とした。ラワン合板と白壁、現しとなった古い木架構が重なり、新旧の素材が住まいの時間をつないでいる。中央の吹抜けや鉄骨階段、室内窓によって、上下階や各室に光や気配が伝わり、個室を持ちながらも家全体が緩やかにつながる構成とした。

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設計時には、入居者の「暮らし方」までは想定していなかった。賃貸開始後、ある住み手は1階の土間を生かし、暮らしながら古着屋を営み始めた。庭から直接人を招き入れられる土間や、用途を決め込まなかった空間が、住まいと小さな商いを自然につないでいる。完成時に暮らし方を決めるのではなく、住み手の発想によって使い方が広がり、建築そのものが更新されていく。そんな余白を持つことが、これからの賃貸住宅における新しい暮らし方の一つではないかと考えている。

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all photos©中村晃

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