つばめ舎
建築設計
原宿 L O O P
木造賃貸 セルフリノベーションPJ
週一部活
「賃貸住宅を自分らしく改装して、暮らすことは可能だろうか?」
クライアントであるK氏から提示された要件は、「賃貸だと改装できないなんておかしい。賃貸でもを住みよくリノベーションしたい。リノベーションを楽しむのが目的で、特に用途は定めない」
という、普段のプロジェクトでは到底お目にかからない奇妙な内容であった。
また、同時に予算が極めて限られているため、職人に仕事を発注することもできない。
私たちは、もちろん混乱し、どうしたらいいのかと途方に暮れる。「このプロジェクトに参加するべきだろうか...」
考えあぐねて、たどりついた方法が「DIY部」という部活にして、「週に一度自分たちで楽しみながら、リノベーションして行こう!」というスタイルであった。
スタイルというと聞こえはいいが、完全にK氏のペースに飲まれたというのが本音である。
作業はまず、大家さんに説明、説得することから始まり、風変わりな人を集い、週一部活というノリで現場をスタートする。もちろん、楽しいだけではなく、ノリだけで現場は進んでいかない。引き受けたことを後悔したときも度々あった。
それでも週に一回部活を継続し、なんとかゴールに辿り着いた。
そのときの爽快感は、確かに設計のみの仕事では味わえないものがあったが。。。
リノベーションの内容としては細かく分かれていた6畳間と3畳間をつなげ、少しでも広さを感じるように天井を落とし、2階の床を現した。
その床がいい表情をしていたので、既存天井の位置に棚を廻し、棚下を白く新しく仕上げ、棚上は床の古さをそのまま生かし、新旧の対比を際立たせる方法を取った。
新しく造ったものが古くなり、また、より新しいものに取って代わられる。ただ、古いものをまっさらに作りかえるのではなく、つながりを持って、時とともに遷り行く。そのような時の流れが循環していくように、建築がつづくことを思った。
□施工床面積:約20㎡
□施工期間:2014.11月~2015.3月